水道メーターと水道メーター交換について

 近年、法定計量分野において、基準・認証制度の国際整合化、相互承認等が緊急かつ重要な課題となっており、計量法の技術基準も国際規格(OIML、ISO)への整合が求められています。

 そこで我が国は、水道メーターの国際規格(OIML、ISO)との整合を計った新JIS規格(JIS B8570)を制定し、計量法の技術基準(計量器検定検査規則)にこのJIS規格を引用することになりました。

 平成17年3月に特定計量器検定検査規則が改正され、平成23年3月までに全ての水道メーターに対して新技術基準への適応を義務づけられました。

水道メーターの交換について

 水道メーターは、実験室での加速耐久試験では8年相当経過した後でも性能の劣化は顕著に現れず、8年間使用するための耐久性を有してます。
しかし、長期間の使用に伴い、機械的摩耗、水垢の付着等により、水道メーターの計量性能が影響を受ける場合があること、また、生活様式等の変化とともに使用形態が多様化しメーター能力を超える過大流量の発生により、早期の性能劣化が生じることがあること、更に、ほとんどの水道メーターは、使用期間中メーター内部の洗浄等のメンテナンスが困難であること、水道メーターの適正計量は、消費者保護の観点から極めて重要であること等に鑑み、水道メーターの検定有効期間の延長は困難であり、現行の8年とすることが妥当であると考えられています。

 要約すると、水道メーターは、長く使用すれば、正確さ・構造などに変化を生じるおそれあり、「検定有効期間」が定められ、その期間内のものでなければ取引等の計量に使用してはならないことになっています。
また、お住まいのみなさまのご健康の維持のために必要とされ、平成16年度より法律で、メーター交換時には、鉛レスメーターを取り付けなければならないというように改定されました。(鉛は人体に入ると蓄積され、排出されることはありません)

 検定切れの特定計量器を使用すると6ヶ月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処せられ、またはこれを併科すると規定されています。計量法第172条(罰則規定)

 このため検定切れにならないように再検定を受けるか、新しいものに取り替えなければいけません。
 再検定は仮設メーターの設置などで費用がかさみ、一般的には新しいものに交換します。
水道メータの期限判別は、メータには鉛玉が付されており、表面には検定証印が、裏面にはそのメータの有効期間が刻印されています。

水道局が検針し、水道局に直接料金を納める直結方式の場合は、メーターは水道局所有物で、メーターは水道局が無料で交換してくれます。




集合住宅(マンション)の水道メーター

 子(私設)メーターとは、アパート・マンション・貸ビル等の集合施設において、家主・マンション管理組合・ビルオーナー等の皆様が一括して水道局に支払った水道料金を、入居者やテナントの方の使用量に応じて精算するために設置されたメーターのことをいいます。



集合住宅(マンション)においての水道メーター交換の必要性

 使用量に応じた料金精算に使用するメーターは検定に合格し。(計量法第16条)、有効期間内(計量法第72条・計量法施行令第18条)でなければなりません。
 トラブルを避けるため、事業体で検針しているマンションの各戸設置メーターを期間内に取替えていただけない場合は、水道局はマンションの親メーターを検針はできない。という事業体もあるようです。
 また、取替え後に規定の届出書を提出を求める事業体もあります。(お住まいの地域の水道局にお尋ねください。)
 集中検針方式(遠隔検針方式)の集中検針盤も同様です。

 反論としては、管理組合所有の私設メーターは計量法の適用を受けず、民事の問題であって、区分所有者の合意が得られるなら、検定期限切れや検定を受けていないメーターを使用しても問題はなく、管理組合と区分所有者の間でメーターの交換で訴訟にでもならない限り、罰せられることはない。

 また、計量法の適用を受ける水道メーターは、取引又は証明における法定計量単位による計量に使用するメーターで、管理組合所有で管理組合管理の水道メーターは、水道局の管理下にありませんから、区分所有者間の合意でどんな管理も可能であり、管理組合が取引や証明に使用しないように合意すれば計量法の適用を受けないという意見もあります。

総合

 集合住宅(マンション)においては、仕様によって異なるようにも感じます。
 水道局が親メーターを検針していることはかわりないことですが、定額(一律)で料金を徴収している場合(ワンルームマンション等)は、除外されているように感じます。
しかしながら、計量法によるところの「取引」「証明」の関わりではないでしょうか。

 例えば、料金にかわるタクシーメーターやお肉屋さんの計りが検定を受けていない、有効期限が過ぎているもが使われてて、その計測によって料金を支払うとすれば、これほど疑わしきものはないように感じます。

 計測機器が正常であり、且つその量により金額を支払うわけですから、検定期限切れや検定を受けていないメーターをどこまで信用してよいのかという不安になってしまいます。

 上記に民事訴訟にでもならない限りという意見もありますし、管理者様・オーナー様のご判断によるところだと感じますが、賃貸での更新料ように経済不況の中で不鮮明な支払い要求を感じられた場合には、対処が必要なるとも限りません。

 インターネット検索(yahoo!・infoseek等)で、「水道メーター 検定満期」「水道メーター 計量法」等で、検索できます。

給水管の劣化

 給水設備が劣化すると、想像以上に大規模な工事となる場合があります。
 使用している管の材質により、劣化の進行度や劣化の発生が異なります。
 築年数により、工事(更新)内容がかわります。
 昭和50年以前・・亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)の可能性有り(全面更新)
 昭和51年以降・・亜鉛メッキ鋼管使用不可となり、ほとんどの建物では硬質塩ビライニング鋼管を使用している。(一部更新)



例:大阪市水道メーター取替補助制度

 大阪市において水道メーター取替の補助制度が関住協の運動などにより実現されました。
 次の条件を満たす分譲マンションの各戸水道メーターの取替えなどの維持管理が、08年度から大阪市水道局の負担になっています。
(1)分譲マンションであること。
(2)これまでも水道局が各戸計量・各戸収納を実施していたこと。
(3)申請日より起算して各戸メーターの検定有効期間が1年以上あるもの。
で、正常に作動するものであることの3つが条件です。

 水道メーターの取替え費用は、水道料金の0.67%ですが、管理組合が各戸検針、徴収している分譲マンションにはこの費用も還元されず、不公平感は増すばかりです。
 また大阪市は、08年4月から、検針業務を外部委託し、毎月検針・収納になりました。
 外部委託費は1件122円(延べ検針数300万件、総委託料3億6600万円)。
各戸検針・徴収している管理組合に委託費を補助金として出すことは可能であり、合理的だと考えます。

 大阪市は市内のマンションの位置づけや役割について、
(1)市内に人口を呼び戻すうえで重要。
(2)市民税・固定資産税の税収増。
(3)水道事業においても同面積での給水収益はマンションの方がよい。
と答弁しています。

 マンション住民が大阪市の財政に寄与していることを認めたものです。
 しかし、マンションは私有財産だから給排水施設への補助金は出せないとしています。
 大阪市はマンションの集会所やプレイロットの固定資産税を減免しており、建替え検討費用にも補助金を出しています。
 「私有財産だから」という理由は成り立ちません。

 マンション管理適正化法では、マンションという建物の公共性を認め、管理組合と国及び地方自治体に対し、マンションを適正に管理し支援することを求めています。
 私たちは、引き続きマンションを適正に維持管理しつつ、戸建て住宅との不公平感をなくすために運動を続けます。
 各自治体によって補助制度に違いがあります。
いずれにしても、戸建てとの不公平感をなくすため、必要な運動はしましょう。
(NPO法人集合住宅維持管理機構様ホームページより引用)

参考 計量法

◇計量法第1条(目的)
 この法律は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。

◆計量法第2条第2項(取引及び証明の定義)
 この法律において「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。
 この法律に関連して具体的に団地、アパート等共同住宅の子メータは、すべて水道量に係わる証明上の計量用とみなす旨の解釈が通産省より別途通達されている。
(昭和46年4月6日量計46-21)

◇計量法第2条第4項(特定計量器とは)
 取引若しくは、証明における計量に使用され、または主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係わる基準を定める必要があるものとして政令で定めるものをいう。

◇計量法第72条(検定証印)
 第1項 検定に合格した特定計量器には、通商産業省令で定めるところにより、検定証印を付する。
 第2項 構造、使用条件、使用状況等からみて、検定について有効期間を定めることが適当であると認められるものとして政令で定める特定計量器の有効期間は、政令で定める期間とし、その満了の年月を検定証印に表示するものとする。

◆計量法第16条(使用の制限規定)
 第3項 第72条第2項の政令で定める特定計量器で同条第1項の検定証印又は第96 条第1項の表示が付されているものであって、検定証印等の有効期間を経過したもの。

◇計量法施行令第18条(検定証印等の有効期間のある特定計量器)
 水道メータの有効期間は8年とする旨の細目が計量法施行令別表第3に規定されている。

◆計量法第172条(罰則規定)
 上記の第16条の規定に違反した者は、六月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

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